出産

娘2人を無痛(和痛)分娩で出産したときの体験談

無痛分娩体験談

今まで2人出産しましたが、どちらの出産も無痛(和痛)分娩で出産しました。2回の出産は病院が違うことや、初産と経産の違いがあり、まったく違うお産となりました。2回の出産を振り返ってみたいと思います。

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無痛(和痛)分娩とは

無痛分娩については日本産科麻酔学会のホームページがわかりやすくておすすめです。

無痛分娩Q&A-日本産科麻酔学会-

医療従事者ではない方向けに説明してくれているサイトなので読みやすいです。無痛分娩に興味がある方はぜひ目を通してみてください。
無痛と和痛の違いについて、私が2人目を出産した病院では、完全に痛みが無くならないから和痛と呼んでいるというお話でした。たしかに、無痛というと本当に痛みがないような名前ですね。ですが、無痛も和痛も呼び方は違えど内容は同じようです。

2回の出産を無痛(和痛)分娩で行った体験談

無痛分娩を決めるまで

無痛分娩を決めたのは今から3年ほど前です。その頃、今ほど無痛分娩の施設は多くなく、とくに私の里帰り先では1つしか病院がありませんでした。しかし、痛みがないならないほうがいい、とそれだけの理由で迷わず無痛分娩を選びました。

出産時の状況

年齢・妊娠期間・分娩時間など

初産
  • 出産年齢:33歳
  • 妊娠期間 40週3日
  • 病院:個人病院・麻酔も出産も一人の先生が行う。
  • 出産時期:早秋
  • 分娩時間14時間
2回目
  • 出産年齢:35歳
  • 妊娠期間 38週4日
  • 病院:大学病院・麻酔は麻酔科の先生が行う。
  • 出産時期:早秋
  • 分娩時間:2時間

計画分娩かどうか

初産

子宮口が開き始めたらその日に陣痛促進剤を点滴して出産するという方針。計画分娩ではないと先生は言っていましたが、先生の中で出産させる日が決まっていたようで、診察に行く前に病院から電話があり、なぜか早く来てと言われ、そのまま入院、出産となりました。結局は計画分娩だったんじゃ?と後から思いました。

2回目

無痛(和痛)分娩をするときはかならず計画分娩を行う病院でした。子宮口の開き具合を健診でチェックし、その様子から入院日を決め、陣痛促進剤を点滴して出産する計画でした。
24時間無痛分娩対応ではなく、1日に無痛分娩できる人数を制限しているので、計画分娩の日以外に陣痛が起こると通常分娩になるということでした。

入院から出産までのこと

陣痛促進剤の点滴、麻酔薬の注入、子宮口全開になるまで

陣痛促進剤の点滴が始まるとじわじわと陣痛がやってきます。強い陣痛が起こる前に背中から麻酔を入れるための管を挿入します。この管を入れるとき、痛いのでは?と緊張するのですが、両先生ともほとんど痛みがなかったのは驚きました。

初産 麻酔のおかげでほぼ陣痛の痛みを経験しませんでした。

11時頃、陣痛促進剤の点滴を開始。2時間ほど経ってから2,3分ごとの陣痛がおき、痛みがきつくなったところで麻酔開始。嘘のように痛みがとれ、分娩室にあったテレビを観たり、スマートフォンでまだ立会いに来ていなかった夫に連絡をしたりしていました。痛みを経験しなくてすみましたが、麻酔が始まるとずっと仰向けで過ごさなくてはならず、体勢を変えられなかったのが辛かったです。陣痛促進剤の点滴を始めてから飲食も一切禁止でした。
それから痛みが強くなったら麻酔を追加してもらうことを何度かして、夜22時頃後子宮口全開。分娩体制をとりました。麻酔が始まってからそこまでほとんど痛みなし。今日中に産まれるよ〜と助産師さんと話をしていました。

2回目 麻酔の効きが間に合わず、陣痛を経験

11時頃、陣痛促進剤の点滴を開始。ここの病院では飲食ができ、寝ている状態なら体勢も自由に変えられました。
1時間後、少しずつ痛みが出始めたと思ったらすぐに強烈な陣痛の痛みに襲われます。本格的な陣痛が開始しました。
麻酔をいれてもらいましたが効いていませんでした。とても痛く、息を長く吐きながら耐えていました。ぜんぜん麻酔が効いてない様子を見て、麻酔の先生が「おかしいな〜」という顔をしました。どこまで麻酔が効いているか、触診でチェックをしたり、体勢を変えてみたりしていました。
初産のときの痛みがなかったことと比べて、「先生、ぜんぜん麻酔効いていませんから!!!」と心の中で叫びながら、陣痛に耐えました。夫が背中をさすってくれましたが、逆に気になり手を振り払いました(笑)。分娩室に昼食が運ばれてきましたが、まったく食べることができずに下げられていきました。
そして13時過ぎ、麻酔が効かず苦しんでいる姿を見ていた主治医が「もしかして?」と言いました。子宮口をみてもらうとすでに全開になっていました。陣痛開始から子宮口全開までが早すぎて麻酔が効くのが間に合わなかったようです。慌てて分娩体勢をとり、そのころやっと麻酔が効き始めました。経産婦の場合、お産の進みが早すぎて麻酔が間に合わないことは、たまにあることのようです。

子宮口全開から赤ちゃんが産まれるまで(分娩第Ⅱ期)。鉗子分娩になった

いよいよ赤ちゃんが産まれるときです。無痛分娩だと陣痛の痛みがないので、息むタイミングが自分ではわかりません。陣痛の波を計測しているNSTのモニターを助産師さんと一緒にみながら陣痛が来るのを待って、陣痛が起き始めたら助産師さんが「はい、息んでー!」と声を掛けてくれますのでそのときにチカラいっぱい息みます。

初産 うまく息めなかった

点滴開始から約11時間後の22時頃、分娩体勢をとっていきみはじめます。今日中に産まれると言われていたのに0時を越えても産まれてきませんでした。どうもうまく息むことができず、出てこれなかったようです。あまり長引くと赤ちゃんも疲れてしまうので吸引分娩を行いましたがそれでも出てこず、鉗子分娩をすることになりました。鉗子分娩の器具を見たとき、そんなものを入れるの!?とドキドキしました。主治医は若手院長だったのですが、鉗子分娩のときにベテラン先生が登場して、今までヘラヘラしてた若手院長の顔が真剣な顔つきになったときには、私もどうなるのかと緊張しました。しかし、麻酔が効いていて痛みもなく、大きな器具をいれられている感覚もありません。赤ちゃんが出てくる部分はシーツで覆われているので、私からは見えなかったのですが、そこで鉗子の器具をカチャカチャを先生たちがやっている姿を冷静に観察していました。
鉗子分娩は息みません。先生が引っ張り出す感じです。「産まれるよ〜」といった後に長女が出てきました。

吸引分娩と鉗子分娩で大きく違ったなと感じたのは、吸引分娩だと、吸引して出すときに自分も一緒に行きみますが、鉗子分娩だと自分は息まずに先生が鉗子を使って引っ張るだけになります。自分でがんばって産んだという感覚ではなかったです。

2回目

点滴開始から2時間半経った頃の13時過ぎに分娩体勢をとって息みはじめました。助産師さんと一緒に3回か4回ほどいきんだ後にするりと出てきました。このころ麻酔がしっかり効いて痛みは全くありませんでしたが、チカラを入れて息むことができたし、赤ちゃんがお腹から出て行く感覚もしっかりわかりました。

産まれてから

どちらの病院もよく似たものでした。

産まれて顔を見せてもらうとすぐに別室に連れて行かれました。体をきれいにしてもらったり、身長体重測定など状態のチェックをしてもらいます。その間、私は胎盤がでてくる後産や切開部分の縫合などがあります。こちらも麻酔が効いているので痛みなどありません。胎盤は知らないうちに出ていました。

その後、寝ながら赤ちゃんを抱っこさせてもらいました。私は2回ともこのときが一番感動しました。無痛分娩のおかげで体力が消耗されていないので、じっくり生まれたての赤ちゃんを味わいました。
しばらくするとまた赤ちゃんは別室へ。

産後、麻酔が切れてから

産後は麻酔が切れるまで痛みはありませんでした。でも初産のとき、麻酔が切れてからが地獄でした。

初産 麻酔が切れてから激痛・・・

すべての処置が終わったのが4時頃だったと思います。それから少し睡眠をとり7時頃朝食が運ばれてきたので起きたのですが、そのときに麻酔は切れていたようで激痛で起き上がれず。鉗子分娩を行ったせいで、骨盤の一部を損傷、膣裂傷がおきてしまったそうです。産後は会陰切開の痛みがあるのは普通のことですが、骨盤が痛いのか、膣が痛いのか、会陰が痛いのかよく分からない状態で、とにかく痛くて歩くこともできませんでした。でも、起き上がってトイレにいったり、食事をとったり、授乳室まで行ったりしなくてはいけなくて、痛み止めを飲んでも痛くてヨボヨボ歩きながらなんとか動いていました。
痛みだけではなく、尿失禁、便失禁もあり、私、どうなるんだろう、、、と入院中、すごく不安に過ごしていました。尿失禁、便失禁の原因について、医師の話によると、骨盤底筋群周辺の神経を長時間圧迫した後遺症だと言われました。通常は排尿がしづらくなる排尿困難が起こりやすいそうですが、私の場合は逆だったので、先生に質問してもあまり相手にされず辛かったです。

その後、歩くのが辛いほどひどい痛みは1週間程度でとれましたが、円座なしでまともに座れない状態は1ヶ月ほど続きました。便失禁がなくなるまで2週間程度、尿失禁が尿漏れ程度に落ち着くまで1ヶ月、尿漏れは10ヶ月くらいかかりました。(だんだん対応がなれてくるので、トイレに失敗したことはありません。)もし無痛分娩しなかったら鉗子分娩することなくもう少し楽だったのかな。。。とも思いました。

他には、麻酔が切れたあと、左足の痺れが残りましたが1日ほどで無くなりました。

2回目 経産婦の余裕?

初産のとき、産後がほんとうにキツかったので産後がくるのが出産より怖かったのです。
麻酔がどのくらいで切れたのかははっきり覚えていないのですが、産後6時間で看護師さん付き添いのもとトイレに行くイベントがありました。そのときには麻酔は切れいていて、ゆっくり歩いてトイレにいきましたが、初産のときとは比べものにならないくらい楽だ!と感じました。。会陰切開部の痛みはありましたが、痛み止めを飲んでいたのでひどくは痛みませんでした。排尿困難、尿失禁、便失禁もなく、分娩時間が短かったので体力の消耗もなく、元気でした。安産だとこんなに楽なんだ、と感動しました。

まとめ

以上が2人を無痛分娩で出産した体験談でした。

無痛分娩にしてよかった

2人目は産まれるのが早すぎて麻酔が効きませんでしたが、陣痛の痛みを味わえたことは後々思い出すといい経験だったし、分娩第Ⅱ期は麻酔がうまく効いて楽で順調に進み満足のいくお産ができたと思います。1人目は陣痛の痛みをほとんど経験せず楽でしたが、結果的、分娩第Ⅱ期(子宮口全開から出産まで)が長引いて鉗子分娩になってしまい、産後が大変でした。でも初産はどうしても時間がかかるので、もし陣痛の痛みを長時間耐えることになってたら・・・と思うと本当に無痛分娩してよかったです。

もし3人目があるとしたら、やっぱり無痛分娩を選びます。

でも、初産のときの病院はもう嫌だな。。。と思いました。そう思った理由は、無痛分娩を行うにあたり説明会が開かれたのですが、無痛分娩のメリットばかり説明されてリスクは説明してもらえなかったのです。なので吸引分娩や鉗子分娩が増えるなんてしらなかったのです。知っていても、無痛分娩を選んでいましたが、後から思うとメリットばかり言う先生にちょっと不信感です。計画分娩じゃないと言いつつ、病院都合で出産になった様子も感じられたのもあり。。。子供が元気に産まれることが一番ですが、すこし引っかかるものが残りました。

無痛分娩をすると後陣痛の痛みがひどくなるのはホント?

1人目を出産する前に知った噂です。これを医師に質問してみると「痛み止めあげるから大丈夫〜」と軽く流されました。(汗)

私の場合はどうだったかと言いますと、1人目は陣痛をほとんど経験しないまま出産、そして後陣痛がきました。すごく痛かったです。冷や汗ものでした。痛くて痛くて、飲み薬の痛み止めでは効かなかったので座薬を入れてもらいました。
そして2人目。経産婦は後陣痛が初産よりきつくなると聞いていたので、「あのときより痛いのか、、、。」と憂鬱でした。出産では麻酔の効きがわるく陣痛を体験し、そして後陣痛がやってきました。その結果、「陣痛のほうが痛い」と感じ、後陣痛は下痢をした時に腹痛ぐらいに感じました。おそらく、後陣痛が痛みが増すのではなく、陣痛を経験していないと、後陣痛の痛みを強く感じてしまうのではないでしょうか。

無痛分娩を迷っているママへ

無痛分娩を迷っている理由はなんでしょうか?費用?リスク?もしリスクが心配で迷っているなら自然分娩を選ばれることをおすすめします。私は2回の出産を振り返ると麻酔なしの出産なんてしたくない!と思います。でもはやりリスクもあります。もし産後なにかあったとき、無痛分娩が原因でなかったとしても「無痛分娩しなかったらよかった。。。」と後悔する理由の一つになってしまいます。このページを読まれている方はきっと無痛分娩をしたいけど、怖い、迷っているという場合が多いのでないでしょうか?そんな方に背中を押すようなことが言えずに申し訳ありません。

迷っている理由が「周りが反対している」「産後、子供への愛着が薄れるのかも?」という場合

ぜひ、無痛分娩をされることをおすすめします。産むのは自分です。無痛分娩ときめているのに周りが意見してくるのは聞き流しましょう。無痛分娩をするにあたり、意見を聞いていいのは「信頼できる主治医」だと思います。私も母や義理の姉に心配されましたが、陣痛がない楽なお産を見た母は「無痛分娩でよかったね。」といってくれました。そして愛着が薄れるという噂がありますが、無痛分娩をしたからといってそれはないと言えます。出産だけじゃなく、妊娠中も辛いこともあるし、10ヶ月間お腹の中で大事にしてきたのです。今も愛しく思えるなら産後も変わりない気持ちでいられます。

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